11章モジュール、パッケージ、標準ライブラリ

 基礎力養成の段階では、組み込みデータ型からもっと大きなデータ構造、さらにはコード構造の構築に進んだ。この章では、ついにPythonで現実的な大規模プログラムを書くための方法を学ぶ。独自のモジュールを作るとともに、Pythonの標準ライブラリやその他のソースからほかの人が作ったモジュールを使う方法を学ぶ。

 本書の文章は単語、文、段落、章という階層構造になっている。そうなっていなければ、1、2ページ読んだだけですぐに読めなくなるだろう*1。コードにも同じようなボトムアップの構造がある。データ型が単語、式と文が文、関数が段落、モジュールが章に当たる。さらにこのたとえを使っていくと、本書では、たとえば何かを8章で説明すると言うことがあるが、それはプログラミングでほかのモジュールのコードを参照するのと似ている。

*1 少なくとも、今ある形よりは少し読みにくいはずだ。

11.1 モジュールとimport文

 この章では、Pythonコードを複数のファイルで作り、それらを使っていく。モジュールは、Pythonコードをまとめたファイルに過ぎない。モジュールにするために特別なことをする必要はない。すべてのPythonコードがほかのコードからモジュールとして使えるようになっている。

 ほかのモジュールのコードは、import文で参照する。こうすると、インポートしたモジュールのコード、変数をプログラム内で使えるようになる。

11.1.1 モジュールのインポート

 import文のもっとも単純な使い方は、import moduleというものだ。ここで、moduleの部分は、ほかのPythonファイルのファイル名から拡張子の.pyを取り除いたものである。 ...

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