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10 章 シソーラス・制限語彙・メタデータ
り越える助けとなります。最初のシソーラスは、図書館や美術館、政府機関のために
作られました。World Wide Web が生まれる、はるか昔のことです。こうした何十年
もの経験を私たち情報アーキテクトは活用できるのですが、そうかといって、なにも
かも無差別に真似することはできません。現在デザインしているシステムには新たな
問題があり、創造的なソリューションを必要としているのです。
話が先に進みすぎました。まずは基本的な用語と概念を定義することから始めてい
きましょう。そのあとで、全体的な見通しに戻りたいと思います。
10.1 メタデータ
いざ定義するとなると、メタデータはまるで掴んでは手から逃げる魚のようなも
のです。メタデータを「データのためのデータ」と表現してもよく分かりません。
Wikipedia から引用した解説で少しは分かりやすくなるはずです。
メタデータ(メタコンテンツ)は、あるデータの一面または複数の側面につ
いての情報を提供するデータとして定義される。例えば以下のようなものと
なる。
●
データの作成方法
●
データの目的
●
データ作成の日時
●
データのクリエイターまたは作者
●
データが作成されたコンピューターネットワークのロケーション
●
使用された標準
例えばデジタルイメージには、画像のサイズ、色深度、解像度、画像が作成
された日時などを説明したメタデータが含まれている。テキストドキュメン
トのメタデータには、ドキュメントの長さ、著者、ドキュメントが書かれた
日時、簡単なサマリーについての情報が含まれている。