6章90日間サイクルでアイデアを検証する
アイデアをビジネスモデルに分解すれば、強固な基盤を築くことができます。ただし、ビジネスモデルの物語のピッチがどれだけ魅力的であっても、テストされていない一連の仮定に基づいて構築されていることを認識することが重要です。
設計したビジネスモデル(プランA)を機能するビジネスモデルに変える方法が、ビジネスモデルの検証です。
ビジネスモデルを検証するときには、分割統治のアプローチを取りたくなります。チームメンバーの個々の強みに応じて、チームのフォーカスを分割してしまうのです。第Ⅱ部の例で見たように、さまざまなことに手を出すと、リソースが分散して最適化されません。チームの可能性を最大限に引き出すには、ビジネスモデルの最もリスクが高い部分(制約や弱いつながり)にフォーカスしましょう。
最もリスクの高い部分をどうやって特定するのでしょうか? あまりにも多くの起業家が、直感だけで最もリスクの高い部分を列挙したり、「専門家」のアドバイスを求めたりしています。しかし、そのようなアプローチは主観的すぎます。また、あなた、チーム、アドバイザーのバイアスがかかる恐れもあります。
リスクの優先順位を不適切に設定することが、ムダの最大の要因です。
良い方法はあるのでしょうか? 答えは「イエス」です。システムベースのアプローチを使用しましょう。具体的には、制約理論(TOC: Theory of Constraints)です。TOCとは、エリヤフ・ゴールドラットが提唱した、システムを最適化するアプローチです。詳しくは革新的な著書『ザ・ゴール』(ダイヤモンド社)で解説されています。
TOCの前提は、システムは常に単一の制約や最も弱いつながりで制限されている、というものです。あなたが工場のスループットを改善する仕事をするとしましょう。作業員やマネージャーの意見を聞くこともできますが、おそらく課題と解決策のアイデアが手に入るだけでしょう。では、どこから調査すればいいのでしょうか? ...
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