イントロダクション
2人の起業家の物語
2人の起業家の物語から始めましょう。名前はスティーブとラリーです。2人とも同じ大学で優秀な成績を収め、卒業後はハイテクスタートアップで働き、すぐに重要な役割を担うようになりました。
数年後、2人ともスタートアップのアイデアを思いつき、仕事を辞めて自分の冒険を始めることになりました。人格を与えるために名前をつけましたが、2人が似ているのは年齢、性別、出身地というよりも、どちらも「大きなアイデア」を思いつき、それを行動に移したところにあります。
2人が違ってくるのは、それから1年後のことです(図1)。
1年後、スティーブは製品を作り続けています。製品からの収益はありません。製品開発の資金を集めるために、フリーランスのバイトをしています。それから、ひとりで仕事をしています。一方、ラリーの顧客基盤、収益、チームはすべて拡大しています。どうして2人は違うところに行き着いたのでしょうか?
この質問に答えるために、時間をさかのぼってみましょう。
1年前のこと
スティーブはオフィスの机で考え込んでいました。その日、マネージャーから数か月以内にオフィスが閉鎖されると伝えられたからです。スティーブは(最近買収された)親会社に転属するか、退職金を受け取るかの選択を迫られました。
スティーブはこれは何かのきっかけだと考えました。
彼はいつか自分の会社を起ち上げたいと思っていました。大学卒業後はスタートアップで働くと決めていました。自分で冒険を始める前に、実践的な経験が得られると思ったからです。彼が入社したスタートアップは、あまりいい製品は持っていなかったものの、なんとか買収されることができました。スティーブはコアチームの一員であることを心から誇りに思っていました。 ...
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