7章SLIとSLOの計測
Ben Sigelman
サービスにとってSLIとは何なのかを原理として理解することと、それをどう実装して計測するかを実作業として理解することは、まったく別の問題です。この章では、SLOの実装の指針となる設計目標を設定し、ソフトウェア組織のすべてに見られるSLOの計測の一般的な仕組みについて説明します。次に、SLIとSLOの実装を順序に従って示し、一般的なケースを幅広く検討してから、SLOを実装するときの検討事項を紹介します。
SLIとSLOの計測は、健全で管理が行き届いた信頼できるシステムの基盤を形成します。そのために、それらの計測に使用されるインフラは、良くも悪くも手離れしにくいものになります。その前提のもとで、この章では、大半のソフトウェア組織で使用されている「開発済み(ブラウンフィールド)」インフラのコンポーネントで必要とされるトレードオフについて、ある程度詳しく説明します。「新規開発(グリーンフィールド)」の環境では、インフラの可用性や再利用は無関係ですが、それについて記述するには別の1つの章、あるいは1冊の本が必要になるでしょう。
7.1 設計目標
驚くべきことではありませんが、SLOの実装は、他の大半のソフトウェアエンジニアリングプロジェクトと同様です。それらの結果の品質を向上させるには、あらかじめ計画を立てて、設計目標全体を明晰に認識することが有効です。そうは言っても、SLOとSLIは、多くの場合、既存のシステム(またはその中)に実装され、また多くの場合、余剰時間にインクリメンタルに実装されるので、ときにはSLOの計測の設計目標を見失い、その結果として時間を無駄にしたり品質を犠牲にすることがあります。
この節では6つの目標の概要を説明しますが、それらがすべてを包含しているわけではありません。しかし、そのすべてを考慮に入れて検討されていれば、SLOの実装はそれだけ良いものになるでしょう。これらの6つの目標について読み進むときにも、それはモデルにすぎないことを忘れないでください。あなたやそのシステム、さらにユーザーにとっての最善の結果をもたらすよう検討してください。 ...
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