物語に起承転結[1]が使われるように、プレゼンテーションもストーリーを考える必要があります。本章ではその紡いだストーリーの中でダマす要素やテクニックを紹介します。いくつかのテクニックを組み合わせて、プレゼンテーションする側の目的がどのように達成されるか解説します。
特定の事実に注目させない
スピーカーが話すプレゼンテーションのストーリーに集中した結果、本来確認すべきことに注意が向かなくなることがあります。どのような話の流れで、このようなことが起こるか解説します。
ダマすプレゼンテーションの構成において、もっとも王道のテクニックは以下です。
■都合の良い情報に注目させる
■都合の悪い情報からは注意をそらす
これ自体に善悪はなく、プレゼンテーションのしくみ上必ずこうなります。なぜならプレゼンテーションは、
■限られた時間で
■聞き手にわかりやすく
■スピーカーが伝えたいことを伝える
というものだからです。プレゼンテーションする側は、話したくないことは積極的に話しませんし、求められていること以外を話す必要がありません。何かをする上でこの性質がそぐわない場合は、そもそもプレゼンテーションではなく別の手段を用いるべきです。
では上述の都合の良い情報だけに注目させる、もしくは都合の悪い情報から注意をそらすには、どのような手法があるでしょうか。実は意外にも(?)普通です。ビジネスにおいてのプレゼンテーションは、大抵以下のようなパターンに集約されます。 ...
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