データ保護完全ガイド ―あらゆるデータの保全と回復を可能にする

7章

データベースを保護する

　ほとんどの企業において、ビジネスの要かなめとなるデータは、何らかのデータベース、またはデータベースにデータを蓄積するアプリケーションに保存されている。私の過去30年の仕事を振り返ってみると、本当に難しいバックアップとリカバリの問題はデータベースに関連するものだった。それゆえ、私はこの章がこの本の中で最も重要だと考える。

　db-engine.com＊1（https://db-engines.com）には13種類のデータベースと300のデータベース製品が載っており、その一つひとつが独自のバックアップとリカバリ手順を持っている。一部のデータベースは、マニュアルや本の1冊丸ごと、いかにそのデータベースをバックアップするかについてだけ書かれている。データベースの種類の豊富さとそれらをバックアップする様々な方法を考えるとき、私がこの章でできる精一杯のことは、正しい方向を指し示すことだ。

＊1　［訳注］db-engine.comはオーストラリアのITコンサルティング会社が運営するデータベース専門サイト。

　私の目標は、データベースのバックアップがいかに難しいかを理解してもらうこと、バックアップを担当する人にデータベースのアーキテクチャ概念を説明すること、バックアップの様々な方法を紹介し、それぞれの長所短所について私の意見を述べることだ。次に、データベースがどのようにバックアップされているかを私が知りうる限り調べ、そこでも私の意見を述べる。最終的に、あなたを正しい方向へと導き、データベースバックアップの方法論を詳細にわたって評価し、可能ならば改善するだけの十分な知識を与えることだ。

　データベースのバックアップとリカバリの課題とソリューションを見る前に、データベースのいくつかのカテゴリについて話さなければならない。データベースを分類する最初の方法は、それがどのようにデプロイされるか、あるいはどのように提供されるか、だ。提供の形態によって、データ保護にどれほどの課題が潜んでいるかが決まってくる。 ...