7章アーキテクチャに関する意思決定のフレームワーク
本物の成功につながる意思決定は、意識的な思考と本能的な思考のバランスのよい結合から生まれる。
—— マルコム・グラッドウェル
今までの章では、クラウドデータレイクをめぐる基本概念、クラウドデータレイクの3種類の基本アーキテクチャ、設計で考慮すべきこと、システムのスケーラビリティとパフォーマンスを上げる方法、使われるデータ形式の特長を説明してきました。この章では、今までに説明してきたことを総合して、データレイク導入の長い道のりのどこでこれらの知識が役立つかを説明します。私は、金融、小売、消費財、医療、製造、技術開発などのさまざまな業種の顧客企業から、クラウドデータレイクソリューションを利用するだけでなく構築するための相談を受けてきました。この章では、これらすべての顧客企業との仕事の経験に基づき、会社の成熟度、使えるスキルセット、IT導入のレベルの違いを反映した共通パターンと思考プロセスを示していきます。
企業ごとに異なる問題と要件がありますが、データはビジネスを活性化し、変革を促す非常に重要な力となります。データを活用することで、競争上の優位性を維持し、顧客基盤を確保・拡大し、業務の効率化を進めるための基盤ができあがります。この章では、企業が直面する問題に対して、これまでに学んだ知識をどのように応用できるかを振り返ります。
ここでは、目標設定、定義、実装、運用化の4つの重要なフェーズに分けて意思決定のフレームワークを示していきます。3章では、広い視野から概括的にこの意思決定のフレームワークを説明しましたが、この章ではあなたの会社が属するセグメントに合わせてフレームワークをチューニングしていきます。4つのフェーズは順に進めていく形になっていますが、あとのフェーズでずれを感じたらいつでも前のフェーズに戻って修正をしてかまいません。また、 ...
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