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行動を変える戦略

決断か反応か:行動を変えるための3つの戦略

 ユーザーがアクションファネルのすべてを通過して実際に行動を起こすために、プロダクトはどんな手助けができるだろうか。ユーザーの行動を変え、実行を手助けする戦略が大きく3つある。うち2つは学術研究から導かれた戦略で、熟慮による行動と直感による行動の違いに基づいている。3つめの戦略は、あまり着目されてこなかったが、非常に強力な、チートと呼ばれる戦略だ。

 意識や熟慮の戦略は、人に行動をすすめて、意識的にそれを実行してもらうという、お馴染みのやり方だ。この場合、ユーザーはアクションファネルの5つの段階すべてを通過する必要があり、特に意識的な評価の段階に多くの時間を費やすことになる。

 直感に訴える戦略は、もう少し複雑になる。第1章を思い返してほしいのだが、さまざまな要素がすばやく直感的な自動反応を引き起こしている。例えば、物から物への連想、身についた習慣、現在のマインドセット、思考のショートカットとしてのヒューリスティックス(思考力を節約するが同時に勘違いを引き起こしやすい)などである。直感に訴えるやり方のうち、持続的な行動変容を促すのに最も有効なのが習慣だ。習慣を生み出すには、わかりやすく体系化された方法がある*1。いったん習慣ができると、ユーザーはアクションファネルのうち、意識的な評価と適切なタイミングの見極めという2つの段階を、楽々と通過できるようになる。

 3つめの戦略チートは、第1章で学んだ意識の自動操縦をさらに極端にするもので、ユーザーが行動する必要性すら無くしてしまい、ターゲットアクションの実行に、あらかじめ同意をしておくだけで済むようにする。この「チート」が3つのうち最も効果的で望ましい戦略だということを後に明らかにするつもりだ。 ...

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