ここからは、これらの認知メカニズムの中身と、それをどうユーザーのために活かすかを説明していきたい。なお、便宜上、第9章でインターフェースデザインをし、第10章でそのデザインに対して行動戦術を適用するというように章を分けて説明しているが、理想的には両者を同時に進めるほうがよい*6。
キューの行動戦術
上に挙げた戦術には、行動変容の戦略やビヘイビアプランの議論で言及した心理メカニズムの応用が少なくない。ここでは、インターフェースデザインの段階で使える戦術に絞って紹介し、めぼしい戦術の早見表としたい。
ユーザーに何をするのかを伝える(そして、行動を求める)
※第2章、第7章も参照のこと
ユーザーにページ上で行動開始を促すキューはわかりやすいのが望ましいが、不幸にも、往々にしてそうはなっていない。どんな行動が望ましいのかをきちんと明確にしよう。こんなわかりやすい間違いなんて誰も犯さないと思うかもしれない。だが、誰がいつ陥ってもおかしくない。メールの末尾にウェブサイトへのリンクをいれているとしよう。そのとき、ユーザーが実際にウェブサイトを訪れてくれるように、きちんと頼めているだろうか。訪れるのが当たり前と思い込んでいないだろうか。フォローしてもらうために、メッセージやブログの投稿にTwitterのアカウントを載せているとしよう。読者は、(ウェブサイトを訪れる、Twitterをフォローするといった)われわれが意図した行動をちゃんと理解しているだろうか。もちろん目に入ってはいるはずだ。しかし、見ているもの(Twitterのアカウント名)とわたしたちがやってほしい行動の間に飛躍があればあるほど、その行動は意識に上らないまま、他のものに気持ちが移っていくだろう。
ダスティン・カーティスは、彼のブログで読者にTwitterのアカウントの提示の仕方について実験をした(Curtis ...
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