11章戦略のギャップ

スティーブン・バンギーが多くの企業の戦略を研究した結果、企業が戦略を計画として扱うと期待どおりにならないことがわかりました。この失敗は、アウトカム、計画、行動のあいだに存在する以下のギャップを埋めようとして取られた行動から生じます。これらのギャップは最終的に組織内の摩擦を引き起こします。

  • 知識のギャップ
  • アラインメントのギャップ
  • 効果のギャップ

11.1 知識のギャップ

知識のギャップ(図11-1)とは、マネジメントが知りたいことと企業が実際に知っていることの差です。詳細な知識を要求したり提供したりすることで、組織はこのギャップを埋めようとします。

知識のギャップ(スティーブン・バンギー著『Art of Action』より。Hodder & Stoughtonの許諾を得て引用)

図11-1 知識のギャップ(スティーブン・バンギー著『Art of Action』より。Hodder & Stoughtonの許諾を得て引用)

「ああ、くそー。それは自分だ」と言うリーダーは、あなた1人ではありません。私がこの考えをあるCEOに紹介したとき、彼の口から飛び出してきた言葉はまさにこれでした。この問題はギャップのなかでいちばんすぐに認識できるものです。

このギャップはマーケットリーのCTOにもありました。彼は、まだ検証が終わっていないプロダクトを隅々まで説明するように要求しました。そうすれば、自分たちが何をしようとしているのか確信を持てるようになるからと考えてのことです。ですが、情報が山のようにあっても、上層部の人たちにとっては必ずしも役に立ちません。意思決定を下すのに十分なだけの情報を伝えることに集中しなければいけません。 ...

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