UX戦略 第2版 ―革新的なプロダクト開発のためのテクニック

5章

競合分析

「分析」とは、科学的/非科学的な手法とプロセスを巧みに駆使して

データや情報を解釈し、意思決定者のために示唆に富んだインテリジェンスを

見つけ出した上で、彼らにアクショナブルな提案をすることである。＊1

──バベット・ベンスーサン、クレイグ・フライシャー、2007年

　市場を徹底的に調査したら、断片的なミクロの情報からマクロなインテリジェンス、知見を引き出す作業に進む。この章では、4章で進めてきたあらゆる調査から重要な発見を抽出するためのシステマティックなテクニックを示していく。章を読み終える頃には、競合ベンチマーキングの進め方、業界動向の見極め方、考えたこともなかったようなビジネスモデルの見つけ方がわかっているはずだ。あなたには、プロダクトの生き残りを第一に考える立場から、この先どのように進むべきかを提案できるようになっていただきたい。つまり、「基本要素1：ビジネス戦略」を立てられるようになるということだ（［図5–1］）。

5.1 ｜ 大物プロデューサーのバリュープロポジション第2部

　3章で途中まで話したドラマに戻ろう。

　我らがUXストラテジスト、ジェイミーは、ハリウッドのある撮影所のバンガローで大物プロデューサーのポールと裕福で多忙な男性のためのショッピングサイトというアイデアについて話をしていた。

　ちょうどポールがこのバリュープロポジションなら彼個人の問題も解決してくれると話していたところだ。

バンガローの中