訳者まえがき
数年前のこと、Go言語について調べていた訳者はとても懐かしい単語に出会いました。CSP(Communicating Sequential Processes)です。
今を去ること○十年前、訳者は修士論文に取り組んでいました。当時の専攻はソフトウェア工学。「(来たるべきマルチプロセッサ時代に対応した)書きやすく、わかりやすいプログラムを作るにはどのようなプログラミング言語がよいのか」を一所懸命考える日々を送っていました。SIMULA、CLU、コルーチン、オブジェクト指向……などといった単語の周辺をさまよって、最終的にCSPを修士論文のメイントピックに選んだのでした。
それ以来ほとんどお目にかかったことがなかったこの単語が、比較的新しい言語の並行処理機能のベースになっていることを知ってとてもビックリしたと同時に、ちょっぴり嬉しくもなりました。当時の自分の目の付けどころが「悪くはなかった」ような気がしたからです。とはいえ、修士論文自体は重箱の隅をつつくような内容で、とても満足できる内容ではありませんでしたが……。
その後、就職したソフトウェア会社で出会った機械翻訳の面白さに魅了され、それ以来プログラミング言語自体の研究とはお別れし、それから○十年間はC言語を手始めに、プログラミング言語をもっぱら使う側に回っていました†1 。途中からは、プログラミング言語などの本の人間翻訳をしたり、プログラミングの講座を開くようにもなりました。
[†1] 当時「C言語で翻訳ソフトを作っている」などというと「Lisp以外はありえないでしょ」というような反応をされることが多かったことを思い出します。当時は「AI関連ならLisp」というのが常識だったのです。
自分の訳書を見直してみたら、言語自体の入門書(初版)だけでも次のようなものがありました。訳者の感想とともにリストしてみましょう。 ...
Become an O’Reilly member and get unlimited access to this title plus top books and audiobooks from O’Reilly and nearly 200 top publishers, thousands of courses curated by job role, 150+ live events each month,
and much more.
Read now
Unlock full access