訳者まえがき
この本は、Rachel Schutt氏によってコロンビア大学で行われた「データサイエンス入門」という講義に基づいています。しかし、この本はいわゆる教科書ではありません。
「データサイエンス入門」はオムニバス形式の講義で、現場での業務経験豊かな講師たちによって毎回の講義が行われていました。この本はその講義の講義ノートと言えるようなものでしょう。この本で提示される内容は、通常の大学の講義で使われる教科書では教えてくれないような、現場での細かいノウハウやありがちな失敗例、ゲスト講師の信念や好みの考え方など、かなり人に依存した内容であると思います。しかし、だからこそ他書では得られない情報を得られると思います。まさに、講義に参加して講師のアドバイスを受けたかのような経験をすることができるでしょう。
この本の中身が大学の講義を再現したようなものである、と考えると1つ注意するべきことがあると思います。それは、この本だけですべてを知ろうとは思わないことです。大学の講義を受けるときのように、講師が黒板に書いた内容やレジュメとして配った内容から語彙を増やし、わからないことがあっても後で調べることにし、まずはリラックスして取り敢えず講義を受けてみる(つまり、ひと通り読んでみる)、といった読み方をおすすめします。幸い、多くの参考文献が紹介されていますので、深い学習をするための道も提示されています。しかし、そういった深い学習をしない場合でも、ゲスト講師たちのようなプロのデータサイエンティストがどのようなコミュニティで、そして、どのような文化の中で生活をしているのかを知ることができるのも興味深いです。そういった講師たちがデータサイエンスという言葉を定義するのに悪戦苦闘する姿を描いた文庫本を読むような気持ちで、軽く読んでいくだけでも非常に面白いでしょう。 ...
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