January 2024
Intermediate to advanced
472 pages
5h 56m
Japanese
あなたがこのメモを手にする頃には / 私たちはもう生きていない /
私たちはみんな煙の中に消えてしまう / 返事のしようがない
—— They Might Be Giants, "By the Time You Get This" (2018)
「1章 イントロダクション」では、引数を受け取らず、常に同じ出力をする3つのプログラム(hello、true、false)を書きました。本章では、コマンドラインから引数を受け取り、プログラムの動作を実行時に変更する方法を紹介します。コマンドとしては、echoのクローンを作成します。このクローンは、コマンドラインから受け取った引数を表示し、必要に応じて、末尾の改行の有無を制御できます。
本章では、次の内容を学びます。
clapクレートを用いたコマンドライン引数の処理match、if、returnなどの使い方Optionを用いて、存在するかわからない値を表す方法ResultのバリアントであるOkとErrを用いたエラー処理本書では、Rustを使ってUnixコマンドを書いていきます。そこで、各章の冒頭で、そのコマンドでできることを説明し、新しく作るプログラムについて理解を深めます。そこで説明する内容は、後でテストを書くときにも役立ちます。本章では、echoのRust版を作ります。まずは、echoに引数を渡して、それを標準出力に表示してみましょう。
$ echo Hello
Hello
ここではシェルとしてbashを使いますが、