6章クラウドサービスの調査
現代のWebアプリケーション開発において、クラウドサービスは不可欠な存在となっています。アプリケーションのインフラストラクチャ、データストレージ、認証基盤など、様々な側面でクラウドサービスが活用されています。しかし、その利便性の裏側には、設定不備や設計上の問題に起因するセキュリティリスクも潜んでいます。
Webペネトレーションテストの文脈においても、クラウド環境特有の設定不備を悪用する攻撃シナリオは珍しくありません。例えば、不適切な権限設定が施されたIAMプリンシパルや、公開設定が不適切なオブジェクトストレージなどが、攻撃者にとって侵入の足掛かりとなることがあります。
本章では、Webペネトレーションテストにおいて遭遇する可能性のある、クラウドサービスに関連した典型的な脆弱性や設定不備に焦点を当てて解説します。特に、AWS(Amazon Web Services)を中心に、IAM(Identity and Access Management)、Cognito、S3といったAWSサービスにおける具体的な攻撃手法や調査方法を取り上げます†1。
[†1] なお、本書で登場する各種IDや認証情報などについては、全て例示用です。実際に手を動かして学習したい場合は、本書籍のGitHubリポジトリ(https://github.com/oreilly-japan/practical-web-pentest)を参考に、環境を構築してください。
6.1 過剰な権限が付与されているIAMプリンシパル
IAMプリンシパルは、AWSリソースへのアクセス権限を持つエンティティです。IAMプリンシパルとしては、IAMユーザとIAMロールが該当します。各IAMプリンシパルには特定の権限が付与され、それに基づいてAWSリソースへのアクセスや操作が可能になります ...
Become an O’Reilly member and get unlimited access to this title plus top books and audiobooks from O’Reilly and nearly 200 top publishers, thousands of courses curated by job role, 150+ live events each month,
and much more.
Read now
Unlock full access