訳者あとがき
攻撃の高度化に伴い、マルウェア解析の必要性は増しています。特に、特定の企業・業界に狙いを定めたマルウェアに遭遇した場合、既存のセキュリティ機器のシグニチャでは対応が間に合わないケースもあり得るでしょう。その場合、攻撃者が被害端末などに残したマルウェアは貴重な情報源となり得ます。マルウェアを解析することで、利用している攻撃手法、IOC、攻撃者の意図など様々な情報を引き出し、防御やインシデント対応に役立てていく必要があります。
一方、マルウェア解析と聞くと、身構える人も多いでしょう。独学で実施するには敷居もリスクも高く、企業や研究機関に所属していないと本格的に学ぶことは難しいというのが一般的なイメージだと思います。本書は、マルウェア解析に初めて携わる人にもわかりやすく、マルウェア解析の全体像を説明した技術書です。本書は、防御側(Blue Team)の技術的態勢向上に役立つのはもちろんのこと、ペネトレーションテストやTLPT(脅威ベースのペネトレーションテスト)に携わる攻撃側(Red Team)担当者にも、防御側の技術をより深く理解するのに役立ちます。
訳者が初めてマルウェア解析の世界に触れたのは、「セキュリティ・キャンプ2007」でした。当時と比較して、利用されるツールや攻撃手法こそ変化しているものの、本質的な解析手法・考え方は大きく変化していないように思います。そのため、一度理解をすれば、他の分野にも応用が利く有益なスキルとなり、セキュリティ人材としてのキャリアを積む上でも絶対に無駄にならない技術です。海外ではマルウェア解析の学習リソースは多数存在しますが、残念ながら、日本では体系的かつ網羅的に学ぶことができる書籍は少ないのが実情です。そんな中、豊富な経験を持ち、Black ...
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