技術監修者あとがき
元々は物理学者を目指していた私は、2014年にサイバーセキュリティ企業に入社したことにより、ゼロから情報技術を学びました。当時はサイバーセキュリティ技術の専門書が片手で数えられる程度しかなく、英語の専門書や技術記事を読み漁る毎日でした。私がサイバーセキュリティ業界に来た2014年と比べると、日本国内におけるサイバーセキュリティ技術に対する関心は大幅に高まり、日本語で書かれたサイバーセキュリティ技術書は充実し、サイバーセキュリティ技術を学習しやすくなりました。しかし、英語で書かれた技術書と比べると、日本語で書かれたセキュリティ技術書の選択肢が少ないという状況はさほど変わっていません。特に、Webアプリケーションと比べると、本書のような低いレイヤのセキュリティ技術を扱った日本語の書籍はあまり充実していないように感じています。
リバースエンジニアリングは、何の役に立つかの実感が湧きにくいことがあり、勉強を始めてから実用的なレベルでの習得に至るまでに、忍耐を要する技術分野といえるでしょう。現実には、リバースエンジニアリングの技術は本書のようなマルウェア解析にとどまらず、ゲームでの不正行為や脆弱性の検出などにも応用されています。サイバー攻撃技術を専門とする私にとっても、リバースエンジニアリングはとても役に立つ技術です。攻撃ツールや、脆弱性に対する攻撃コードを開発する際には、リバースエンジニアリングの知識が必要になる場合が多く、新しい攻撃手法を分析して理解するのにも役に立ちます。本書の読者は、企業に勤めるインシデント対応担当者から、純粋な興味で勉強する非専門家まで様々であると考えられますが、低いレイヤの技術は高いレイヤの技術の根本的な理解につながり、応用範囲が広いため、すぐではないにせよ、情報技術に関わる人であれば役に立つ時が来るでしょう。 ...
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