9章エンタープライズデータ資産の活用
これまでの章では、企業におけるデータの管理と流通の規模について学びました。通常、企業には多数のドメインが存在し、それぞれが独自のシステムとデータを保有しています。データがあちこちに散在し、同じデータでも複数のバージョンが存在する場合があるため、ますます複雑になっています。例えば、顧客の360度情報を提供するような統合は、さまざまなドメインから取得したデータについて、さまざまな部分を統合し調和させる必要があるため、多くの手間がかかることになります。また、さまざまなドメイン間でデータのコンテキストに一貫性がなく、データ品質のレベルにばらつきがあることも問題になる場合があります。
これらの課題に対処するためには、マスターデータ管理(MDM、master data management)という手法が必要です。MDMは、1章で説明したように、重要なデータを管理・流通させ、一貫性、品質、信頼性を確保するためのものです。一貫性のない不正確なデータは、信用を損ない、売上や利益を減少させることにつながるため、マスターデータ管理は非常に重要です。また、セキュリティや不正行為の検知、EUの一般データ保護規則(GDPR)やカリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)などの法規制も、マスターデータ管理の必要性を高めています。マスターデータの管理が不十分だと、不正の検出ができなかったり、規制当局から罰則を受けたりする可能性があります。
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MDMは、アーキテクチャにさらなる結合をもたらします。MDMは、企業レベルでの一貫性を高めますが、同時にアーキテクチャにさらなる結合をもたらします。マスター管理するデータが多ければ多いほど、アーキテクチャはさらに緊密に結合されます。 ... |
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