2章トレイト
Rustの型システムの2つ目の柱は、トレイトの使用だ。トレイトを用いると、複数の個別の型に共通の挙動を表現することができる。トレイトは、大まかに言うと他の言語のインターフェイスに相当する。ただし、トレイトはRustのジェネリクス([項目12])とも関係している。ジェネリクスを用いると実行時オーバーヘッドなしでインターフェイスの再利用が可能になる。
本章の各項目では、Rustのコンパイラとツールチェーンが提供する標準的なトレイトを説明し、挙動をトレイトで表現する方法と、挙動を表現するトレイトを使用する方法について、アドバイスを示す。
項目10:標準トレイトに習熟しよう
Rustはその型システムの重要な挙動を、それらの挙動を表現する細粒度な標準トレイトの集合を通じて、型システムそのもので表現する([項目2])。
これらのトレイトの多くは、C++から来たプログラマには見慣れたものだろう。対応する概念は、コピーコンストラクタ、デストラクタ、比較演算子、代入演算子などだ。
C++の場合と同様に、自分で定義した型に対しても、これらの型の大半を実装しておくとよい。定義した型に対して、何らかの操作に必要なトレイトが実装されていなければ、Rustコンパイラがわかりやすいエラーメッセージで教えてくれる。
これらの大量のトレイトを実装するのは大変そうだと思うかもしれないが、一般的なものの多くはderiveマクロを適用するだけで、自動的に実装できる。deriveマクロは対象の型に対して、トレイトの「自明な」実装のコードを生成する(例えばstructのEqをフィールドごとの比較として実装するなど)。多くの場合、その型の構成要素となる各部分がそのトレイトを実装している必要がある。自動生成されたコードは、「多くの場合」期待した通りのものになるが、そうならない場合もある。そのような場合については、以降の各トレイトの説明の際に述べる。 ...
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