4章依存ライブラリ
神々は、我々の願いを叶えることで、我々を罰する。
オスカー・ワイルド
コードを再利用するというアイディアは、何十年もの間、ただの夢だった。書いたコードをライブラリにパッケージし、さまざまなアプリケーションで再利用するというアイディアは理想的ではあるが、わずかな標準ライブラリや、会社の社内ツールでしか実現されてこなかった。
インターネットの成長とオープンソフトウェアによって、ついに状況が変わった。有用なライブラリ、ツール、ヘルパをすべて使いやすくパッケージしたオープンアクセスのレポジトリとして最初に作られたのは、PerlのCPAN(Comprehensive Perl Archive Network)で、1995年に公開されている。今日ではほとんどすべての言語には、包括的なオープンソースライブラリのコレクションがあり、パッケージレポジトリから簡単に手早く新たな依存ライブラリを追加できるようになっている†1。
[†1] 注記すべき例外としてCとC++が挙げられる。これらの言語ではパッケージ管理が未だに断片化している。
しかし、他者のコードが簡単に便利に素早く使えるようになったことで、新しい問題が発生した。自分でコードを書くより既存コードを再利用したほうが、「多くの場合は」簡単ではあるのだが、他者のコードに依存することに伴う潜在的な落とし穴やリスクがある。本章の趣旨は、この危険性を認識してもらうことにある。
Rustと、cargoツールの利用に焦点を当ててはいるが、本章で説明する懸念点、トピック、問題点は、他のツールチェーン(および他の言語)にもそのまま当てはまる。
項目21:セマンティックバージョン(SemVer)を理解しよう
SemVerとは情報の損失を伴う(lossy)推定であり、変更が取りうる範囲のサブセットのみを表現しているにすぎないと認めてしまえば、SemVerを鈍器のようなものとして見ることができるようになる。 ...
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