LLMのプロンプトエンジニアリング ―GitHub Copilotを生んだ開発者が教える生成AIアプリケーション開発
by John Berryman, Albert Ziegler, 服部 佑樹, 佐藤 直生
1章プロンプトエンジニアリングの世界
ChatGPTは2022年11月末にリリースされました。そして、その翌年1月までに、月間利用者数は推定1億人に達し、史上最速で成長した個人向けアプリケーションとなりました。比較すると、1億人に到達するまでにTikTokは9ヶ月、Instagramは2年半かかっています。読者の皆さんもご存知の通り、この世間からの評価は十分に納得のいくものです。
ChatGPTを支える大規模言語モデル(LLM, Large Language Model)は、私たちの働き方を大きく変えつつあります。従来のようにGoogleでウェブ検索をして答えを探す代わりに、LLMに直接質問するだけで済むようになりました。技術的な質問に対して、Stack Overflowやブログ記事を探し回るのではなく、LLMに具体的な問題に関する個別のチュートリアルを作成してもらい、さらにその話題についてのQ&Aも行うことができます。また、プログラミングライブラリを従来の手順で構築する代わりに、LLMベースのアシスタントと協力してコードの基本構造を作り、自動補完を活用しながら開発を進めることができます。
そして、「未来」の読者の皆さんであるあなたは、2024年の私たち著者には想像もつかないような形でLLMを使っているかもしれません。現在の傾向が続けば、日常生活の中で何度もLLMと会話することが当たり前になるでしょう。たとえば、ケーブルが故障したときのITサポート担当者として、街角のATMとの気軽な会話として、あるいは時には現実的すぎて困惑するような自動通話システムとしても。他にもさまざまな形でLLMとの関わりが生まれるはずです。LLMはあなたのためにニュースを選び、最も関心がありそうな見出し記事を要約し、偏った解説を取り除く(あるいは場合によっては追加する)かもしれません。メールの作成や要約においてLLMがコミュニケーションを支援し、オフィスや家庭のアシスタントは実世界にまで手を伸ばし、あなたに代わってやり取りを行うようになるでしょう。一日の中で、あなたの個人AIアシスタントは、旅行代理店として旅行の計画を立て、航空券を予約し、ホテルを手配することもあるかもしれません。また、買い物アシスタントとして必要な商品を見つけ、購入するお手伝いをすることもあるでしょう。 ...
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