マイクロサービスアーキテクチャ

3章サービスのモデル化方法

私の敵の論拠は未開人を思い出させる。その未開人は世界は何の上に成り立っているかと問われたら、「亀」と答えた。しかし、亀は何の上に成り立っているかと聞いたら「別の亀」と答えた。

－ジョセフ・バーカー（1854年）

ここまででマイクロサービスとは何かがわかり、おそらく主な利点も実感できたでしょう。そろそろマイクロサービスを始めてみたいのではないでしょうか。しかし、どこから始めるのでしょうか。本章では、利点を最大化し考えられる欠点を避ける、マイクロサービスの境界に関する考え方を説明します。しかし、まず取り上げなければならないことがあります。

3.1　MusicCorpの紹介

考え方に関する書籍には、例があった方がわかりやすいでしょう。可能な限り、実世界の話を共有しますが、架空のドメインを扱うのも有益です。本書では、いたるところでこのドメインに戻り、マイクロサービスの概念がこの世界でどのように機能するかを確認します。

最先端のオンライン小売業者MusicCorpに目を向けてみましょう。MusicCorpは最近まで実店舗の小売業者でしたが、レコード販売事業が崩壊した後、オンライン販売に軸足を移しています。MusicCorpにはWebサイトがありますが、今がオンライン販売への賭けに出るときだと感じています。結局、iPodは一時的な流行に過ぎず（明らかにZuneの方が優れています）、音楽ファンはCDが家に届くのを心待ちにしています。便利さより品質ではないでしょうか。また、ついでに常に話題となっているSpotifyとは何でしょうか。10代の若者向けのスキントリートメントの一種でしょうか†1。

[†1] 監訳者注：説明するのも野暮ですが、Spotには吹き出物、にきびという意味もあります。 ...