監訳者まえがき
私が初めてTypeScriptを書いたのは2013年で、TypeScriptはまだ1.0.0になっていませんでした。当時のTypeScriptは、名前自体はある程度知られていたものの、まだ実際のプロジェクトに導入する事例はさほど多くなかったと思います。そんな中、私が所属していたチームではフロントエンドのアプリケーション開発にTypeScriptを採用することになりました。今にして思うと、TypeScriptにいち早く触れることができたのは非常に幸運なことでした。
2010年代半ばのJavaScriptの世界で起きためまぐるしい変化は、記憶に新しいものです。BrowserifyによってフロントエンドのJavaScriptでもコードのモジュール化が可能になり、npmの豊かなエコシステムがそれを強力に後押ししました。ES6(ES2015)の洗練された構文やAPIは、JavaScriptを魅力的な言語に押し上げ、BabelのようなツールによってモダンJavaScriptへの移行が促進されました。ReactとFlux、Reduxの登場はフロントエンドの状態管理の概念に新風を吹き込み、また、フロントエンド(ブラウザー)とバックエンド(Node.js)でコードを共有するユニバーサルJavaScriptの考え方も広まりました。
TypeScriptも、このめまぐるしい変化における主役の1つだったことは間違いありません。この静的型付き言語は、Babelと同様モダンJavaScriptへの移行を促進する役割を担うとともに、JavaScriptアプリケーションに型による秩序をもたらし、堅牢かつ生産性の高い状態を保ちながらアプリケーションを大規模化することを可能にしました。TypeScriptの利用者は現在も増え続けており、State ...
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