2章TypeScript:全体像
これからいくつかの章にわたって、TypeScript言語について紹介し、TypeScriptコンパイラー(TSC:TypeScript Compiler)がどのように動作するかの概要を示し、TypeScriptの機能と開発時に使えるパターンを紹介します。まずコンパイラーから始めます。
2.1 コンパイラー
今まで(つまり、本書を買うことに決め、型安全性に人生を捧げようと決意する前に)どのプログラミング言語を使ってきたかによって、プログラムの動作方法について異なる理解をしているかもしれません。JavaScriptやJavaのようなそのほかの主流の言語に比べて、TypeScriptの動作方法は独特なので、話を進める前に、私たちの理解を合わせておく必要があります。
まずは広い範囲から始めましょう。プログラムとは、あなた、すなわちプログラマーが書いた一連のテキストを含んでいるファイルです。そのテキストは、コンパイラーと呼ばれる特別なプログラムによって解析されます。コンパイラーはそれを、抽象構文木(AST:abstract syntax tree)に変換します。これは、空白類文字(空白、タブ、改行など)やコメントのようなものを無視したデータ構造です。コンパイラーは次に、そのASTを、バイトコードと呼ばれる、より低いレベルの(よりハードウェアに近いレベルの)表現に変換します。バイトコードを、ランタイムと呼ばれる別のプログラムに入力として与えると、それを評価させたり結果を得たりすることができます。つまり、プログラムを実行するときにあなたが実際に行っているのは、ソースコードから解析されたASTを元にコンパイラーによって生成されたバイトコードを評価するようランタイムに指示していることなのです。詳細は言語によって異なりますが、多くの言語では、これが正確な概要と言えます。 ...
Become an O’Reilly member and get unlimited access to this title plus top books and audiobooks from O’Reilly and nearly 200 top publishers, thousands of courses curated by job role, 150+ live events each month,
and much more.
Read now
Unlock full access