まえがき
ここカリフォルニアの夜は心地よい暖かさです。海からの微かな風が、筆者の苦い思い出を呼び覚ましました。2000年頃に起こった、ロサンゼルスでの出来事です。CSSsprites.comという小さなWebアプリケーションが完成し、サーバーにFTPでアップロードしてまさに公開しようとしていました。その直前の数日間に筆者を悩ませた問題を、思い出しているところでした。アプリケーション本体を完成させるのに20パーセントの時間しか割けず、残りの80パーセントはユーザーインタフェースとの格闘に費やさなければなりませんでした。事あるごとにgetElementById()を使う必要がなく、アプリケーションの状態(アップロードが完了したか、エラーが発生したか、ダイアログがまだ表示されているか、など)を気にかける必要がなかったなら、空いた時間でツールを何個も作れたことでしょう。どうしてUI開発には、これほどの時間がかかるのでしょうか。ブラウザごとの違いにも気を使わなければなりません。苦い思い出は、苦しい叫びに変わろうとしていました。
時計の針を2015年3月に進めます。FacebookのF8カンファレンスが開催されています。筆者が参加しているチームは、完全に書き直された2つのWebアプリケーションを発表しようとしていました。1つは第三者からのコメントを受け付けるしくみで、もう1つはこれと組み合わせて使う進行役ツールです。筆者の小さなCSSsprites.comと比べるまでもありませんが、これらは完全なWebアプリケーションでした。ものすごく大量の機能を持ち、はるかに強力で、信じられないほどのトラフィックに対応できました。しかも、開発は楽しく行えました。これらのアプリケーションを知らなかった人も、JavaScriptやCSSを知らなかった人でさえも、そこかしこで改善や新機能の追加が可能でした。開発は速度を増し、しかも容易でした。チームのメンバーの1人は「なるほど、全部わかったぞ」と言ったものです。 ...
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