監訳者まえがき
本書の初版出版から2年以上経ちましたが、機械学習に対する注目度は衰えるどころかますます高まり続けています。いわゆる機械学習ブーム自体は落ち着きを見せ始め、確実に普及期から活用期に入ったように感じます。機械学習の有用性が確かなものであることが認識され始めたためでしょう。産業界に目を向けると、多くの企業が、機械学習を利用すること自体を目的としているのも珍しくなかった2年前と比較すると、機械学習の有用性を正しく認識した上で、業務での活用を検討していたり、すでに一部の業務への機械学習の導入は完了した上で、さらに高度化を目指したり適用領域の拡大に取り組んでいるといった例が増えてきているように感じます。世の中が少しずつ機械学習を「使いこなす」状態に移行し始めているようです。
その背景には、DX(Digital transformation:デジタルトランスフォーメーション)という言葉の普及があると思われます。従来、機械学習の活用に熱心であったのは、主にビジネスがオンライン上で完結する、いわゆるデジタルネイティブな企業が大半でした。それ以外の企業は興味を持ちつつも、機械学習への取り組みを本格化させていないという状況でした。DXという言葉が普及し、デジタルネイティブではない企業もデジタル化への道を歩み始める中で、大きな要素を占めるのがデータの活用となります。機械学習は、データ活用における発展的な技術として明確に位置づけられ、単に興味をひかれる技術から、戦略的に取り組むべき課題を解決するための重要な技術、と捉らえられ始めていることが最も大きな変化でしょう。それに伴い、機械学習に関連する書籍もより多種多様になり、ビジネス職向けのものや、画像認識や音声認識、自然言語処理など領域を絞り込んで深堀りした書籍なども増えています。機械学習を取り扱った書籍の種類は増えてはいるものの、本書の価値はまったく色あせていません。広範なトピックを扱いながら、サンプルコードを添えてステップ・バイ・ステップで説明を進めていくスタイルは、2020年現在でもやはり類を見ない貴重な書籍と言えるでしょう。 ...
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