3章推薦システムのUI/UX
本章では、1章で紹介した推薦システムの定義である「複数の候補から価値のあるものを選び出し、意思決定を支援するシステム」の後半部分、「意思決定を支援するシステム」として推薦システムが機能するために提供すべきUI/UXについて紹介します。つまり、推薦システムがユーザーに推薦結果を届ける際に、どのような画面(UI)によってどのような体験(UX)を提供するべきかという点に注目します。この部分は1章で説明した推薦システムの3つの構成要素の中では「アウトプット(推薦の提示)」に該当します。
3.1 UI/UXの重要性
推薦システムについて扱う既存の書籍やブログ記事あるいは論文などにおいては、推薦システムの定義の前半部分「複数の候補から価値のあるものを選び出す」に該当する推薦システムのアルゴリズムについての内容のものが多いように思います。これはさまざまなオープンデータが誰でも簡単に利用できるようになったことや、さまざまな推薦アルゴリズムを実現するためのライブラリなどが充実してきていること、それらを利用した検証を行うための計算資源を準備することが容易になったことなどに依るところが大きいでしょう。また、技術を扱うソフトウェアエンジニアやデータサイエンティスト、あるいは研究者などにとってはこのアルゴリズム部分が単純に最も面白く感じることが多いというのも理由の1つでしょう。最近は機械学習や深層学習の推薦システムへの応用も広く進み、技術的にホットな領域となっています。もちろん推薦システムにとってこのアルゴリズムの部分は大変重要な部分なので、本書でも次章からこの部分について詳しく説明します。
一方で、本章で扱う推薦システムのUI/UXについて扱う書籍やブログ記事あるいは論文などは比較的少ないように思います。UI/UXについては、実際のユーザーが利用するサービスにおいて推薦システムを開発し運用してみないと分からないことが多いのですが、そのようなケースがまだまだ少ないことが大きな要因でしょう。また、実際のサービスの開発や運用の経験を通してでなければ、推薦システムにおけるUI/UXの重要性に気づくことが難しいという点も関係しているように思います。 ...
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