詳解 Active Directory & Windowsインフラ・ペネトレーションテスト ―Microsoft環境における攻撃手法から検知・修復までを体系的に学ぶ実践ガイド
by Denis Isakov, Ruslan Sayfiev, 石川 朝久, 北原 憲
訳者あとがき
クラウドサービスやSaaSの利用が当たり前になり、企業のIT基盤は大きく変化しています。その一方で、Active Directoryは、現在も多くの組織で認証やアクセス制御、端末やサーバーの管理を支える重要な基盤です。クラウドへの移行が進んだ環境でも、オンプレミスのActive Directoryが直ちになくなるわけではありません。むしろ、新旧のシステムやクラウドサービスが接続されることで、Windowsを中心とした基盤は、以前にも増して複雑になっています。
Active Directoryは、多数のユーザー、コンピューター、サービス、権限を一元的に管理できる強力な仕組みです。しかし、その利便性と影響範囲の大きさは、攻撃者にとっても魅力となります。1つのアカウントやサーバーの侵害が、信頼関係、アクセス制御リスト、サービスアカウント、委任、証明書、管理用製品などを介して連鎖し、最終的にはドメイン全体の侵害につながる可能性があります。Windows基盤を守るためには、個々の脆弱性だけでなく、正規の機能や運用上の設定がどのように組み合わさり、攻撃経路を形成するのかを理解する必要があります。
一方で、Active Directoryの攻撃手法や対策を理解するには、日本語文献が十分に揃っていないこと、名称や仕組みが変化すること、文献によって訳語が異なること、演習環境を簡単に用意できないことなど、さまざまな課題がありました。
本書は、このようなActive DirectoryとWindows基盤に対する攻撃を、実際の攻撃の流れに沿って学ぶための実践書です。ラボ環境の構築から始まり、防御機構の回避、ドメインの偵察、認証情報へのアクセス、ラテラルムーブメント、権限昇格、持続化へと進みます。さらに、Exchange ...
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