October 2026
392 pages
6h 55m
Japanese
本章と続く2章では、Active Directoryの構成時にデフォルトではインストールされないものの、実環境で広く利用されているサービスを対象とした攻撃手法について取り上げます。まずはAD CS(Active Directory Certificate Services:Active Directory証明書サービス)から始めます。このサービスは、Active DirectoryにPKI(Public Key Infrastructure:公開鍵基盤)を統合するためにMicrosoftにより実装されました。AD CSにより、証明書、デジタル署名、コード署名をはじめとする公開鍵暗号を用いた様々な機能がActive Directoryフォレスト全体で利用可能となります。当然ですが、大きな力には大きな責任が伴います。AD CSは、その複雑な性質のため、堅牢化や監視の観点では見落とされることが多々ありました。SpecterOps社は2021年6月に、AD CSに対する既知の攻撃方法と新たな攻撃方法を説明した包括的な研究論文を発表しました†1。
まずはこの章を通じて必要となるPKIの基本的な理論を解説します。続けて証明書の窃取方法、ユーザーやコンピューターのドメインアカウントに対する持続化の手法を解説し、最後にドメインレベルでの権限昇格と持続化の手法を取り上げます。他の章と同様に、攻撃手法の検出手法や防止のための推奨事項についても触れます。
この章では以下の題材について解説します。
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