信頼性の高い機械学習 ―SRE原則を活用したMLOps
by Cathy Chen, Niall Richard Murphy, Kranti Parisa, D. Sculley, Todd Underwood, 井伊 篤彦, 張 凡, 樋口 千洋
14章実践的なML組織の事例
組織は複雑であり、その様々な側面が全てつながっています。MLを導入した結果、組織のリーダーは新たな課題や変化に直面するでしょう。実際に検討するために、3つの一般的な組織での構造変化を見て、私たちが検討してきた組織設計の問題にどう適用されるかを述べます。
それぞれのシナリオで、組織のリーダーがどのようにMLを組織へ導入したか、その選択のインパクトについて述べます。全体にわたり、それぞれの選択の利点と考えうる落とし穴について考察しますが、特に、各選択がプロセス、報酬、人材といった側面にどのように影響するかを13章で紹介したスターモデルを用いて考察します。組織のリーダーは、これらの実装シナリオで十分な詳細を確認して、自身の組織での側面を認識し、自身の組織での状況と戦略にマッピングできるはずです。
14.1 シナリオ1:新規集中型MLチーム
YarnItが、ショッピング時の推薦を生成するモデルを開発するMLの専門家を1人雇用し、組織スタックにMLを導入しました。試験運用は成功し、結果、売上が増加しました。同社は現在、この成功をどのように拡大するか、MLにどのようにそしてどれくらい投資するかについていくつかの決定を下す必要があります。YarnItのCEOは、組織の新しい一元化された機能としてMLの中核的拠点を構築し運営するため、新副社長の雇用を決定しました。
14.1.1 背景と組織の説明
この組織の選択には大きな利点があります。チームは専門化され、協力や共同作業の機会が豊富に存在し、リーダーシップは会社全体でMLに関する業務を優先する明確なスコープ(実施範囲)を有しています。信頼性の専門家は、そのスコープがMLシステムに限定されていれば、同じ組織に所属できます。集中化により、影響力の重要なつながりも生まれます。ML組織のリーダーたちは、YarnIt全体にわたって自分たちの優先事項を提唱するための立場をより強固に持つことができます。 ...
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