監訳者まえがき
たくさんあるプログラミング言語の中でも、近年、最も勢いがあるものはおそらくPythonでしょう。米国有名大学のコンピュータ科学科では、PythonがJavaやC/C++を抑えてプログラミング基礎コースで最も教えられている言語になっています†1。高度なデータ構造や数学機能を自在に操れるところから、日常的にデータを処理する専門家にもなくてはならないツールです。古典的にC/C++が王道であったシステム関連の分野でも制御、管理、データ交換などの実装に浸透してきており、たとえばクラウドコンピューティングのOpenStackはPythonで書かれています。
[†1] 監訳注:Philip Guo: "Python is Now the Most Popular Introductory Teaching Language at Top U.S. Universities", BLOG@CACM, Communications of ACM (2014).
もっとも、本書を手に取る方にはこうした宣伝文句は不要でしょう。原題の「Fluent Python」からわかるように、多数のライブラリや固有な表現方法を身に付けることで、Pythonを「流暢」に読み書きできるエキスパートにステップアップすることが本書の目標だからです。実際、ちょこっとかじったレベルでは、読み進めるのが大変なところも多数あります。しかし、読み終えたときには、より早く、より短く読みやすく、よりエレガントなコードを書けるようになっているのに気付くことでしょう。そう、外国語で使える語彙や慣用句が増えれば、いつの間にかオトナな会話ができるようになるのと同じです。
本書はPython 3、特に2014年3月にリリースされた3.4を対象に書かれています。原著発刊当時(2015年7月)にはまだリリースされていなかった3.5(2015年9月)に対する言及も一部にありますが、これらについては訳者らができる限り現状を注釈で補記しました。本訳書がそろそろ完成というタイミングで3.6.0がリリースされたのですが(2016年12月)、時間の都合で最新情報を加えることができたのはほんの数箇所です。もっとも、バージョン依存は最新の限られた機能にとどめられているので、本書を活用する上ではとくだん支障はないはずです。2.xについても、非対応の一部の機能に対するメモを原著者が細かく残しているので、こちらも一部を除いて支障なく利用できることと思います。 ...
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