3章はじめてのMLOpsプロジェクトへの取り組み
もしあなたがMLOpsプロジェクトとパイプラインの構築を始めたくてうずうずしているなら、この章を読んでください。意外なことに(あるいはそうでなくても、この本をここまで注意深く読んできたのであれば)、最初のステップではノートブックやIDEは必要ありません。その代わり、会社の意思決定者と適切な議論をする必要があります。AIやMLは新たな技術的フロンティアを切り開きますが、アカデミアでもない限り、ビジネスユースケースに結びつかなければなりません。そのつながりによってこそ、AI/MLは人々にとって価値ある存在となるのです。そのため、まず最初にすべきことは、プロジェクトを正当化するビジネスユースケースを把握することであり、目標や期待されるROIを把握することです。
ビジネス面が明確になったら、次はコンピュータに向かう番です。しかし、まだノートブックを開いてはいけません。次のステップはMLプロジェクトの計画です。これには、必要なリソース、実行するプロセス、ソリューションのプロトタイピング、パイプライン構造、設計などが含まれます。これらのコンポーネントが承認されたら、いよいよMLパイプラインの開発です。本章では、これらの各段階について詳しく説明します。
3.1 ビジネスのユースケースと目標を特定
AIはビジネスと世界経済を変革しつつあります。PwCのレポート(https://oreil.ly/pyheD)によると、AIは2030年までに15兆7000億ドルもの利益を世界経済にもたらすと予測されています。さらに、総経済利益の45%は製品の機能強化によってもたらされ、消費者の需要を刺激します。これは、AIによって製品の多様化が促進され、個別化、魅力的な製品、手頃な価格の製品が時間の経過とともに増加するためです。AIは、収益の増加、運営コストの削減、生産性の向上、摩擦の軽減に貢献します。さらに、競争力の向上、リスクの低減、利用者層と消費者ロイヤルティの拡大、従業員定着率の向上、ブランド価値の向上といった長期的な戦略目標にも役立ち、収益性と評価の向上につながります。 ...
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