付録Aエピローグ
本書では実に多くの話題を取り上げた。本を閉じてしまったら、どの部分を日々の生活に取り入れればいいのかわからなくなるかもしれない。仕事に生かせないのなら本書を読む意味はあるのだろうか? それならどうすればいいのだろうか?
物事はシンプルに考えよう。他のことは忘れても、HRT(謙虚・尊敬・信頼)だけは覚えてほしい。
最初の章で説明したように、この3つの特性はあらゆる社会的活動や人間関係の基礎となるものである。注意深く見てみると、ほぼすべての社会的問題はこの3つのいずれかが欠けているために生じていることがわかる。
HRTはあらゆる影響「範囲」に適用可能だ。まずは、君自身に適用できる。すべてのコミュニケーションに影響するものだ。次に、チームに適用できる。謙虚・尊敬・信頼のあるチーム文化は、内輪争いに時間をかけずに、コーディングに時間をかけることが可能だ。それから、チームをリードする方法に適用できる。能力のあるリーダーはチームに奉仕するのであり、その逆ではない。また、チームの外部とのやり取りにも適用できる。そこには、いい人・バカ・機能不全の官僚制も含まれる。最後に、最も重要なグループであるユーザーとのやり取りにも適用できる。
HRTを仕事で使い続ければ、少しの努力で大きな効果が得られる。社会的な衝突・官僚制・人間ドラマに時間をかけずに、好きなこと(ソフトウェアを届けること)に時間をかけるには、これが最高のやり方だと思う。
最後に
気づいていない人のために言うと、本書のアドバイスは必ずしもソフトウェア開発に限ったものではない。
健全なコミュニティを維持するための方法なので、あらゆるコミュニティが対象となる。自分の好きな逸話を選んで、ソフトウェア開発に関係した部分を削除し、その他の活動と置き換えてもかまわない。同じような社会的問題が存在し、同じような解決策が適用できるコミュニティであれば、近所の同好会・教会のグループ・フラタニティ・建築チームの話にもできる。文脈が違ってもうまく扱えるのが人間のすごいところだ。ソフトウェア開発も他と同じように、コミュニティの問題を抱えているのである。 ...
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