データを活用した設計

第5章. 実行段階（実験を行動に移す方法）

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第4章では、複数の仮説を立てることの重要性に焦点を当て、また、焦点を当てたい仮説を評価し選択する方法を紹介した。この章では、仮説を「デザイン」する方法に焦点を当てる。この章の本編に入る前に、いくつかの点を強調しておきたい。

まず、私たちは、狭く具体的な解決策に早急に飛びつかないことの重要性を再確認したい。早急な解決策への移行は、デザイン・プロセスで何度も遭遇してきた一般的な問題である。これは私たち全員にとって自然な傾向であり、できるだけ早く問題に飛び込み、エレガントな解決策をデザインしたいと思うものだ！そしてもちろん、この傾向はプロジェクトのスケジュールが迫っていることで悪化する。

第二に、本書では仮説の生成と仮説の設計を2つの章に分けたが、この2つの活動はしばしば手を取り合うことになる。

第3章で概説した実験の枠組みに従い、この章では実行段階（図5-1のダッシュで囲んだ部分）に焦点を当てる。

ここで私たちは、あなたが定義し選択した仮説を、あなたの実験の核となるテストセルに作り上げる。

実験を通して、デザインの実践では、従来の製品開発プロセスでは早々に却下してしまうような幅広いアイデアを試すことができる。早すぎるコミットメントや、有望なアイデアの不当な却下は、多くのデザインや開発プロセスを悩ませている。

図5-1. この章では、実験の実行段階、つまりA/Bテストで実施する仮説の治療法を設計することに焦点を当てる。

実験のゴールは、1つのアイデア以上のものをテストすることであるため、私たちは今、 多くのアイデアと多くの可能性のある解決策を実際のユーザの前に出し、ユーザがそれらにど のように反応するかを見る仕組みを手に入れた。図5-1を見てわかるように、これらの解決策のそれぞれがテストセルになる。

「少人数のユーザでアイデアを "テスト "することは、より大胆で幅広いデザイン・ソリューションを試すことを意味する。実際、より多様で互いに異なるソリューションをテストすることで、より深く幅広い学習が得られることもある。

解決したい問題や、ユーザの振る舞いや設計したソリューションの影響をより深く理解したい分野など、あらゆる問題にデータを意識したフレームワークを適用できると考えている。これは、非常に戦術的で小さなこと（「このページの最も効果的なレイアウトは何か」）から、より大規模で戦略的な質問（「優良顧客とリテンションの関係は何か」）まで、多岐にわたる。

データを扱ったことのないデザイナーにとって、データやA/Bテストを製品開発プロセスに組み込むことには文化的な課題があることを私たちは認識している。データに依存することは、ユーザ体験を決定するコントロールを放棄しなければならないように感じる人もいると聞いている。クリス・マリワットは、ワービー・パーカーのチーム内でのこの移行について語る：

文化的に、ブランドを重視する企業では、最高のブランドを打ち出したいと考えるものであり、一般化すれば、（コンシューマではなく）あなたが最高だと思うものの編集者であり、キュレーターであるということだ。特に、A/Bテストの経験がないマーケティングやブランド・チームの人々にとっては、あるものをデザインし、最終的に最もうまくいったものを発表するというのは挑戦的なことだった。文化的にコントロールを譲ることは、実際少し難しかった。私たちはテストセルの設計にブランドチームを巻き込み、テストセルがすべてブランドの制約の範囲内にあることを確認した。そして、"これらはすべてブランドの制約の範囲内だが、どれが一番うまくいくかはまだわからない。 ...