マスタリング・ライトニングネットワーク ―ビットコインの迅速な支払いを実現するセカンドレイヤーブロックチェーンプロトコル
by Andreas M. Antonopoulos, Olaoluwa Osuntokun, René Pickhardt, 安土 茂亨, 中城 元臣, 深田 涼太, 鳩貝 淳一郎, 株式会社クイープ
16章ライトニングネットワークのセキュリティとプライバシー
本章では、ライトニングネットワークのセキュリティとプライバシー関連の最も重要な課題を詳しく見ていきます。まず、プライバシーを取り上げ、プライバシーの意味、評価方法、そしてライトニングネットワークを使っているときに自分自身のプライバシーを守るためにできることについて検討します。続いて、よく見られる攻撃とその対策を調べます。
16.1 プライバシーはなぜ重要か
暗号通貨の最大の価値命題(バリュープロポジション)は、検閲に強い通貨であることです。ビットコインは政府、銀行、または企業の干渉を受けない資産の保蔵や移転を可能にします。ライトニングネットワークのミッションも同じです。
管理者のいるビットコインの銀行のような自明なスケーリングソリューションとは異なり、ライトニングネットワークはセルフカストディに関して妥協することなくビットコインをスケーリングすることを目指しており、ビットコインエコシステムでの検閲耐性がさらに強化されるはずです。しかし、ライトニングネットワークはさまざまなセキュリティモデルの下で実行されるため、セキュリティやプライバシーに関してこれまでにない新たな課題に直面しています。
16.2 プライバシーの定義
「ライトニングはプライベートか」という質問に対する直接の答えはありません。プライバシーは複雑なテーマです。プライバシーの意味を正確に定義するのは難しいことが多く、プライバシーの研究者でもなければなおさらです。幸いにも、プライバシーの研究者がシステムのプライバシー特性を分析・評価するためのプロセスがあり、本書でもそれらのプロセスを使うことができます。セキュリティの研究者が「ライトニングはプライベートか」という質問に答えようとする方法を、大きく2つのステップに分けて見ていきましょう。 ...
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