はじめに
『Python Essential Reference』を執筆してから、20年以上が経過しました。当時、Pythonはずっと規模の小さな言語で、標準ライブラリに便利なバッテリーが付属していました。これはほとんど人間の脳に収まるようなものでした。『Python Essential Reference』は、その時代を反映しています。無人島や秘密の金庫室で、Pythonのコードを書くために持っていける小さな本でした。その後3回の改訂を経て、コンパクトでありながら完全な言語リファレンスであるという姿勢にこだわりました。
そして、『Python Essential Reference』の最新版(第4版)の出版から10年以上が経過した今日、Pythonの世界は大きく様変わりしました。もはやPythonはニッチな言語ではなく、世界で最も人気のあるプログラミング言語の1つになっています。また、Pythonプログラマは、高度なエディタ、IDE、ノートブック、Webページなどの形で、豊富な情報を、指を少し動かすだけで利用できます。実際、キーボードのキーを数個押すだけで、ほとんどすべての参考資料が目の前に表示されるので、参考書を参照する必要性はほとんどないかもしれません。
情報検索のしやすさと、Pythonの世界の規模の大きさがまた、別の種類の課題を生み出します。読者のあなたが学習を始めたばかりで、新しい問題を解決する必要がある場合、どこから始めればいいのか皆目見当がつかないかもしれません。また、さまざまなツールの機能をコア言語そのものから切り離すことも難しい場合があります。この種の問題が、本書の理論的な根拠となっています。
この『Python Distilled』は、Pythonによるプログラミングについての書籍です。Pythonで可能なことや、あるいは行われたことをすべて文書化しようというわけではありません。本書の目的は、現代的であり厳選、つまり蒸留(distilled)されたプログラミング言語Pythonの核心を紹介することです。この本は、科学者やエンジニア、ソフトウェアの専門家に対してPythonを教えてきた私の長年の経験から得られたものです。しかし、それはまた、ソフトウェアライブラリを書き、Pythonの何たるかを知り、何が最も役に立つかを見出した結果でもあるのです。 ...
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