8章プラクティス4協力しあう
いちばん価値のあるリソースは、お互いである。
一緒に働くと、お互いから学ぶだけでなく、一緒に学べるようにもなる。だが、ある日突然、協働できるようになっているわけではない。何事も成功するには準備が必要だ。協働も例外ではない。
運転免許の実技試験が本当に初めての運転という人はいない(と思いたい)。まず仮免許をとって交通規則を学び、車のいない駐車場で乗り回して慣れていく。
まず運転を学び、それからテストを受けるのだ。
すべてのスキルには方法論、テクニック、プラクティス、原則がある。協働も1つのスキルだ。
ソフトウェア開発者は情報労働者だ。情報労働者は情報に依存する。
これは産業革命の頃から引きずってきた考え方とは対照的だ。私たちはものごとのやり方を教えられたし、仕事場に対して何を期待するのかも教えられてきた。自分の執務室や、そうは言わないまでもデスクくらいは欲しがるべきだと言われてきたのだ。私はIBMで働いていたが、そこはシニア開発者が垂涎するような環境だった。執務室は自分専用でドアを閉じることができ、美しい家具があり、プライバシーが守られていた。特に優秀だったら窓ももらえたかもしれない。
だが、それは大きな間違いだったことがわかる。
小児心理学者は平行遊びと呼ばれるコンセプトを発見した†1。幼児を同じ場所に集めて、おもちゃをたくさん与える。それぞれの幼児はおもちゃを1〜2個つかんで遊び始める。だが、親がどんなに一緒に遊ばせようとしても、幼児は一緒に遊ばない。幼児はそれぞれが自分のおもちゃで遊び、周りの幼児に気づいていないように見える。
気づいていないように見えても、実際は気づいていないわけではない。自分のお気に入りのおもちゃを見ながらも、周りの幼児を見ている。お互いに観察しながら、同じおもちゃで遊んでいる子が何をしているか、何かの合図はないか、おもしろそうなものかなどいろいろ見ている。だが、直接触れ合うことはない。 ...
Become an O’Reilly member and get unlimited access to this title plus top books and audiobooks from O’Reilly and nearly 200 top publishers, thousands of courses curated by job role, 150+ live events each month,
and much more.
Read now
Unlock full access