3章型アノテーション
Pythonは動的型付け言語であり、データ型は実行時までわからない。これはロバストコードを書く際の妨げになる。データ型は値自体に埋め込まれているので、開発者は自分が扱っているデータ型が何であるかを知るのに一苦労する。確かに、今はstr型のような名前の変数だが、誰かがそれをbytesにしたらどうなるだろうか。動的型付け言語では、データ型を推測しようにも土台が安定しない。しかし、希望を失ったわけではない。Python 3.5で、型アノテーションが導入された。
型アノテーションにより、ロバストコードを全く新しいレベルで書けるようになった。Pythonの作者であるグイド・ヴァン・ロッサムがその効果をうまく説明している。
私は苦い教訓を学んだ。確かに小さなプログラムでは動的型付けはすばらしい。しかし、大規模なプログラムではもっと規律の取れたアプローチが必要である。「君は何でも好きにして良いんだよ」などと言わずに言語自体がその規律を与えたほうが効果的なのだ†1。
[†1] Guido van Rossum.“A Language Creators’ Conversation.” PuPPy (Puget Sound Programming Python) Annual Benefit 2019. https://oreil.ly/1xf01
型アノテーションは規律の取れたアプローチであり、大規模なコードベースを扱う際に必要になるものである。この章では、型アノテーションの使い方、型アノテーションが重要な理由、コードベース全体に意図を浸透させるための型チェッカの使い方を説明する。
3.1 型アノテーションとは何か
型アノテーションは「2章 Pythonデータ型入門」で初登場した。 ...
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