訳者まえがき
セキュリティの現場では、常に万全の体勢で情報収集や解析を行えるとは限りません。むしろ、制約がない状況のほうが少ないでしょう。そうした中でもLinuxに代表されるUnix環境であれば、多くの場合bashなどのシェルは使えるといった場合が多いのではないかと思います。
本書はLinux環境で代表的なシェルであるbashに焦点を当て、セキュリティ的な領域での活用術について解説しています。半分はシェルやシェルスクリプトの解説書のようになっている面もありますが、若手のセキュリティ技術者にとっては、シェルのもつ柔軟性、拡張性について理解し、現場で活用する上でのよい手がかりとなるのではないかと思います。
本書の翻訳に際し、例として掲載されているスクリプトなどについては、本書が対象としているLinuxとWindows(上のGit Bash)上で可能な限り動作確認を行い、留意点については適宜訳注の形で補記するようにしました。なお、BSDやmacOSなどの非Linux環境での確認や補記は行っておりません。grepなど主要なコマンドの挙動の差異もあり、スクリプトの多くはそのままでは動作しないと思われますが、ご了承ください。
また、本書のスクリプトは英語環境を前提としているため、日本語環境ではうまく動作しないものもあります。そのため、1章のコラムで日本語Windows上のGit Bash環境を英語化する方法について追記した上で、本書内でのコマンド実行例は英語環境のままとしました。スクリプトを組む上では文字コードなどを意識する必要がある日本語環境より英語環境のほうが汎用性が高いこともあり、特にLinux環境でスクリプトを作成する際は、スクリプト冒頭で強制的に英語環境に切り替えることが鉄則ですので、この点もご理解いただければと思います。 ...
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