ソフトウェアアーキテクトのエレベーター

第32章. 創業期のガバナンス

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私は本部から来ました。

1984年頃のコーポレート・ガバナンス

企業のIT部門 は、独自の語彙を持つ傾向がある。最も頻繁に使われるフレーズの最有力候補は、"align "であろう。"align"とは、漠然と訳すと、あるトピックについて熟考し、公式な承認には至らないものの、ある種の合意に達する以上の特別な目的を持たないミーティングを開催することである。大規模なIT組織は、このようなことを何度も行うことで（第30章）スピードが遅くなる傾向がある。アライメントの次は、ガバナンスであろう。

完璧なハーモニーを奏でる

ガバナンスとは、一般的に 、規則、ガイドライン、標準によって組織全体の物事を調和させ、標準化する行為を指す。IT 調和をうまく行うことで、スケールメリットによる購買力の向上、運用の複雑さの軽減による停止時間の短縮、不必要な多様性の排除によるITセキュリティの強化が実現する。

、ハーモナイゼーションを追求することは、むしろ価値のある目標ではあるが、ガバナンスは害になることもある。例えば、最小公倍数に収斂してしまうことで、最終的にビジネスのニーズを満たせなくなる。また、多くの企業が包括的なソリューションを標準化するが、多くのユースケースにとっては結局高すぎる。最後に、間違ったものが標準化されると、創造性を阻害することになる。

注

ハーモナイゼーションは、コストと複雑さを軽減し、稼働時間を増加させ、サイバーセキュリティを強化することができる。しかし、抽象化されれば、イノベーションを阻害し、最小公倍数のソリューションにつながり、過剰に設計された高価なユニバーサル・ソリューションを提案することにもなりかねない。

最適でないスタンダードの一般的な原因のひとつは、スタンダードを設定する者が、必要なスキルセットと状況の完全な背景を持っていないことである。さらに悪いことに、このようなチームは、自分たちが設定した基準の効果に関する有意義なフィードバックがないことが多い。例えば、全員が同じタイプのノートPCを使っているなど、上層部からは整然としているように見えるかもしれないが、開発者は管理者アクセスやメインメモリが不足しており、頻繁に出張する人はデスクトップ等価性のモンスターノートPCを持ち歩かなければならない。

注

多くの大規模IT組織では、トップ意思決定者は標準化したツールそのものを使わない。例えば、彼らは標準的なワークプレイスツールやHRツール（第29章 ）をめったに使わない。なぜなら、 、彼らには特殊化ソリューションの権利があるか、彼らのためにこの仕事をする管理者がいるからである。そのため、状況に応じたコンテキストも、重要なフィードバックサイクルも欠如していることがある。

既存の組織や買収によって成長した組織でガバナンスを発揮するには、"間違った "システム実装から "標準 "への移行を伴う。このような移行は、ローカル・エンティティに明らかな利点がないままコストとリスクをもたらし、その実施を困難にしている。ガバナンスの敵は「シャドーIT」であり、中央のガバナンスの範囲外のローカルな開発を指す。 ...