11章Transformerモデルのデプロイ
ここまでで、さまざまなTransformerモデルの仕組みを見てきました。次は、それらのモデルを実際に活用してみましょう。vLLMやSGLangのようなツールを使えば、GCPやAWSなどの主要クラウドプラットフォーム上で、Transformerベースのモデルを比較的簡単にデプロイできます。そのため、本章ではクラウドへのデプロイ手順そのものは扱いません。代わりに、筆者が初めてTransformerベースのアプリケーションをデプロイしたときに頭を悩ませた論点を取り上げます。具体的には、コストとデータの制御、ランタイムエンジニアリング、キャッシュの挙動、アーキテクチャ固有の制約、インフラストラクチャ戦略です。
デプロイを設計上の判断として捉えると、最初に検討すべき選択肢の1つは、オープンモデルを使うか、クローズドモデルを使うかです。この選択は、純粋に技術的な問題ではありません。組織がコストを制御できるか、柔軟にスケールできるか、挙動を監査できるか、モデルをカスタマイズできるか、長期的な独立性を維持できるかに大きく影響します。
また、Transformerベースの生成モデルをデプロイすることは、単にオープンモデルを取得して.generateメソッドを呼び出すだけではありません。本番環境では、モデルは単体で動くのではなく、ルーティング、ストレージ、監視、ガードレール、インフラストラクチャを含む大きなシステムの一部として動作します。
さらに、オープンモデルを選択したとしても、それが必ずしもセルフホスティングを意味するわけではありません。多くのオープンモデルはマネージドAPIからも利用できます。そのため、マネージドAPIでさまざまな検証をした後、必要に応じてコスト効率やコンプライアンスを理由にセルフホスティングへ移行することもできます。 ...
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