11章視覚効果の追加
現在の私たちのブラウザは、色付きの長方形とテキストしか描画できません。これではあまり面白くありません。実際のブラウザは、ピクセルと色のブレンド方法を変化させるさまざまな視覚効果をサポートしています。こういった視覚効果を実装しつつ、さらにブラウザを高速化するためには、自分たちで「サーフェス(surface)」を制御する必要があります。サーフェスは高速なスクロール、視覚効果、アニメーション、その他多くのブラウザ機能の背後にある、重要な低レベル機能です。このサーフェスの制御を得るために、現在のTkinterを使った実装を別のグラフィックスライブラリであるSkiaに切り替えつつ、Skiaライブラリの内部を少しのぞいてみましょう。
11.1 SkiaとSDLのインストール
Tkinterは基本的な図形や入力の扱いに優れていますが、サーフェスを制御できず※1、ほとんどの視覚効果を実現するための実装もありません。視覚効果を自分たちで実装するのも楽しいでしょうが、それはこの本の範囲外なので、新しいグラフィックスライブラリが必要です。そこで、この本ではChromiumが使用しているライブラリであるSkia[1]を使いましょう。Tkinterとは異なり、Skiaは入力を扱ったりグラフィカルなウィンドウを作成したりしないため、Simple DirectMedia Layer(SDL)[2] GUIライブラリと組み合わせて使うことになります。Skiaに切り替えて新しい機能を追加することで、グラフィックスとラスタライズをより低いレベルで制御できるようになります。
※1 サーフェスを制御できない理由は、Tkinterが使用するグラフィックスライブラリのTkは高性能グラフィックスカードとGPUが普及する前の1990年代初頭に作られたものだからです。 ...
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