訳者あとがき
本書を手に取っていただき、ありがとうございました。私が原著のWebサイトを最初に見たのは2023年頃だったと思います。当時、このWebページを見たときはワクワクが止まらなかったのを覚えています。
原著者のPavelさんはブラウザ研究者で、ChrisさんはGoogle Chromeのエンジニアとして、現場で活躍されている方々です。当時はWebブラウザのエンジニアリングに関する書籍が世界で見てもほとんど存在しない中で、実際のブラウザでも使われている技術を詳細に解説した原著は非常に貴重なものでした。しかも、ChrisさんはChromeのレンダリングエンジンの中心的なエンジニアです※1。ブラウザのレンダリングの詳細について理解していて、それを詳細かつ理解できるように噛み砕いて説明できる人は世界でも非常に限られています。実際に読んでいるときも、Chromeの内部動作に関する深い知識が随所に散りばめられており、ページを読むたびに新しい発見がありました。これは確実に日本のエンジニアにとって役立つ内容だと確信しました。
※1 ChrisさんはChromiumのレンダリングのリアーキテクトについて詳細に解説しています。https://developer.chrome.com/docs/chromium/renderingng
生成AIがエージェントとして活躍するようになり、Webブラウザの必要性は薄れてくるのかと思われましたが、実際にはWebブラウザの重要性はますます高まっています。
Google ChromeはGeminiをブラウザに搭載したり、OpenAIはChatGPT AtlasというAIを搭載したブラウザを発表したり、Microsoft EdgeもCopilotが搭載されていたりと各社WebブラウザをベースにAIの連携を強化しています。やはり、既存のWebにある資産を活かすためには、直近ではWebブラウザがベースになることは避けられず、Webブラウザはまだ人々の生活に欠かせない存在であると感じています。私は、どこかでブレークスルーが起きてブラウザが今の形態と変わったとしてもWebは人々の期待に合わせて進化し、Webのまま残り続けるだろうと思っています。そのため、読者のみなさんが本書を通してWebを理解することは、生成AI時代においてもきっと役に立つでしょう。少しでも今後のための学びになったり、楽しんでいただけていたら訳者としても嬉しい限りです。 ...
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