September 2025
Intermediate to advanced
296 pages
4h 30m
Japanese
前章では、データを前処理し、埋め込みを作成してベクトルストアに保存する方法を学んだ。本章では、ユーザーのクエリに基づいて、最も関連性の高い埋め込みやドキュメントのチャンクを効率的に取得する方法を解説する。これにより、関連ドキュメントをコンテキストとして含むプロンプトを組み立て、LLMの出力精度を高めることができる。
このプロセスは、ユーザーのクエリを埋め込み、データソースから類似ドキュメントを取得し、それらをプロンプトのコンテキストとしてLLMに渡すというもので、正式には「検索拡張生成(RAG:Retrieval-Augmented Generation)」と呼ばれる。
RAGは、正確で効率的かつ最新のチャット対応LLMアプリケーションを構築する上で欠かせない要素である。本章では、ベクトルストアやデータベースなど多様なデータソース、および構造化、非構造化の両データ構造に対して有効なRAGシステムを構築するために、基礎から応用までの戦略を段階的に解説する。
まずはRAGの定義とその利点を確認しよう。
RAGは、外部ソースから取得したコンテキストをLLMに与えることで、生成結果の精度を高める手法である。この用語はMeta AIの研究者による論文で初めて提唱され、RAGを導入したモデルは、導入していないモデルよりも事実に忠実で具体的であることが示された†1。
RAGを用いない場合、LLMは事前学習時のデータのみに依存するため、情報が古い可能性がある。例としてChatGPTに時事問題を質問し、その回答を確認してみよう。
入力
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