September 2025
Intermediate to advanced
296 pages
4h 30m
Japanese
現在のLLMにはいくつかの大きな制約があるが、それでも理想とするLLMアプリケーションの構築が不可能というわけではない。アプリケーションのユーザー体験は、こうした制約を回避しつつ、理想的にはそれらと共存する形で設計する必要がある。
「5章 LangGraphによる認知アーキテクチャ」では、LLMアプリを構築する際に直面する、自律的に動く能力と出力の信頼性との間にあるトレードオフについて触れた。直感的には、自律性が高まるほど人の関与を必要とせず多くのことをこなせるため便利になるが、それが行き過ぎると意図しない挙動を引き起こす危険がある。
図8-1はこのトレードオフを示している。
図8-1 自律性と信頼性のトレードオフ
他分野の概念を借りれば、このトレードオフは「フロンティア(境界線)」として視覚化できる。フロンティア上の曲線にある各点は、特定の用途において最適なLLMアーキテクチャを表しており、「自律性」と「信頼性」のバランスの違いを示している(LLMアプリケーションアーキテクチャの概要は「5章 LangGraphによる認知アーキテクチャ」を参照)。例えば、チェーンアーキテクチャは自律性が比較的低い一方で信頼性が高く、エージェントアーキテクチャはその逆で、自律性が高いが信頼性は低くなりがちである†1。
ここでは、LLMアプリケーションに必要な追加的ではあるが重要な目標をいくつか簡単に紹介する。各LLMアプリケーションは、これらの目標を1つまたは複数組み合わせた形で設計される。 ...
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