ディープラーニング実践ガイド ―クラウド、モバイル、ブラウザ、エッジデバイス向けAIアプリ開発入門
by Anirudh Koul, Siddha Ganju, Meher Kasam, 足立 昌彦, 太田 満久, 新村 拓也, 藤原 秀平, 松田 実法, 牧野 聡
10章TensorFlow.jsとml5.jsによるブラウザ上のAI
Zaid Alyafeaiとの共同執筆
ある野心的な開発者が、優れたAIのモデルを開発し、多くの人々に使ってほしいと考えました。ここでの「多く」とはどの程度でしょう。1万や100万といったちっぽけな数字ではありません。夢は大きく、1億人が目標です。しかし、1億もの人々のスマホにアプリのための領域を空けてもらい、ダウンロードしインストールしてもらうように説得するのは困難です。そこで、すべてのユーザーにアプリがすでに用意されているようなしくみについて考えてみましょう。ダウンロードも、インストールも、アプリストアも必要ありません。どんな黒魔術が使われているのかと思われたかもしれませんが、答えはWebブラウザです。このしくみには、PC上でも動作するというさらなるメリットもあります。
Googleも同じことを考えています。Googleのホームページに表示されるロゴ画像(doodleとも呼ばれる。図10-1)を使って、AIの機能が数十億のユーザーに提供されました。テーマとしてJ.S.バッハが使われているというのも心憎い演出です。JavaScriptが生まれるより310年も前に、バッハの両親は彼をJ.S.バッハと名づけていたのです。先見の明があったのかもしれません。
簡単に説明すると、このdoodleではユーザーが2小節分のボーカルの楽譜を自由に作成できます。そして「Harmonize(ハーモナイズ)」ボタンをクリックすると、入力内容がバッハによる数百のメロディ(2から4小節)と照合されます。ユーザーの入力に最もマッチするものと組み合わされて、重厚なバッハ風の音楽が生成されます。すべての処理はWebブラウザ上で実行されるため、Google側で機械学習や予測のインフラストラクチャーを増強する必要はまったくありません。 ...
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