まえがき
デザインの使いやすさに影響するさまざまな要件について、立ち止まって考えてみるというのはよいことです。しかし実際には、そのような時間はめったにとれません。常に目前の作業に追われていることも多いのではないでしょうか。そんな読者におすすめしたいのが本書です。
2011年に本書の第1版が発行されてから今までの間に、モバイルの世界は大きく変わりました。第1版で紹介した6つのオペレーティングシステムのうち、3つ(WebOS、Symbian、BlackBerry)は市場から脱落してしまいました。
見方によっては、世界はさほど変わっていないとも言えます。第1版で紹介した70種以上のパターンのうち、多くは今も適用できます。第2版で追加されたパターンは少数です。追加された新しいパターンには、モバイル指向の考え方が反映されています。デスクトップやWebというメタファーを超えて、モバイルインタフェースの本質を踏まえたソリューションが生まれています。この流れは今後も続き、より加速してゆくでしょう。
変化はもう1つあります。2011年当時の筆者は、OSに依存しないデザインが生まれると楽観的に考えていました。つまり、デザイナーや開発者が作成した1つのインタフェースが複数のOS上できちんと機能するようになると期待していました。しかし実際には、逆のことが発生しました。iOSとAndroidそしてWindows Phoneのそれぞれについて、異なるデザインの手法が確立されました。ナビゲーションについては特に、この傾向が強く見られます。
OSごとのデザインのガイドラインを理解するということが、かつてなく重要になってきています。そして、ユーザーが毎日利用する実際のデバイスへの理解も強く求められています。デザインの対象としているそれぞれのOSについて、少なくとも6週間は実際に使ってみることを強くおすすめします。この経験(そして、本書で紹介するパターン)があれば、自信を持って真に使いやすいアプリを作成できるようになるでしょう。 ...
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