March 2018
Intermediate to advanced
248 pages
2h 51m
Japanese
Kubernetesはパブリッククラウドの仮想環境上で動かし、そのクラスタにアクセスするのはWebブラウザかコンソールから、というのがよくある構成です。しかし、ベアメタル環境を使ってKubernetesを物理的に構築するのも有意義な経験です。ベアメタル環境を使えば、ノードの計算能力やネットワーク性能を物理的に引き出せます。また、Kubernetesの実用性を実感するため、Kubernetesがアプリケーションをどのように回復させるのかを確認するのにも最高の環境です。
自分でクラスタを構築するのは、難しかったり手間がかかったりすると思うかもしれませんが、幸いなことにどちらでもありません。システムオンチップなボードは安価で手に入りやすいこと、Kubernetesのインストールが簡単になるようコミュニティが努力してきたことから、ベアメタル環境上でも小さなKubernetesクラスタなら数時間で構築できます。
この章では、Raspberry Piマシンで構成したクラスタを構築する方法を説明します。少し改変を加えれば、同じ手順を使って他のシングルボードコンピュータ上にもクラスタを構築できるはずです。
まずやるべきことは、クラスタの部品を組み立てることです。この章の例では、4ノードのクラスタを考えます。3ノードでも、あるいは100ノードでもクラスタは構築できますが、4ノードは手頃な台数でしょう。
クラスタを構築するために必要になるさまざまな部品を購入することから始めます。次の一覧は、執筆時でのおおよその価格を含む、購入する物です。