まえがき
生成AIアプリケーションを構築するAIエンジニアならだれでも、印象的なプロトタイプの作成は簡単なのに、それを実運用環境で確実にデプロイするのは大変だ、というギャップに苛立った経験があるはずだ。基盤モデルを使えば説得力のあるデモを作るのは簡単だが、実運用システムでは以下の本質的な問題に対する解決方法が求められる。精度を損なうハルシネーション、下流のプロセスを壊しかねない一貫性のない出力、企業での運用の制約となる知識の欠落、重要なアプリケーションに使うには問題となる信頼性の欠如などだ。
本書はこのギャップを埋めるために、実運用環境で動作する生成AIアプリケーション構築において頻繁に発生する問題を解決する、実証済みの32個のデザインパターンを紹介する。これらのパターンは理論上のものではなく、最先端の研究から導き出され、生成AIシステムを大規模にデプロイすることに成功した実践者によって洗練された、実証済みの解決方法を体系化したものだ。
教師あり機械学習(ML)は、入力と出力の例からなる大規模な訓練データセットを用いて、問題に特化したモデルを学習する。しかし、生成AIアプリケーションでは学習フェーズを行うことはほとんどなく、汎用の基盤モデルを使用するのが一般的だ。本書は、OpenAIのGPT、AnthropicのClaude、GoogleのGemini、MetaのLlamaなどの基盤モデル上に構築されるAIアプリケーションのデザインパターンに焦点を当てる。
本書では、AI工学のワークフロー全体をカバーする。「1章 はじめに」での導入の後、「2章 コンテンツスタイルの制御」ではコンテンツの形式やスタイルを制御するための実践的なパターンを提供する(ロジットマスキング[パターン1]
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